君とハンモックに爽籟

大型犬と暮らすこと

ゴールデンレトリーバーがやめられない

犬とハンモック





もう20年以上の年月をゴールデンレトリバーと暮らしてきた。

まだ20代で超楽観的だった私も、将来についての不安なども抱えてみたりするようになったが、相変わらず刹那的な毎日を過ごしている。

 

現在は、夫と四代目のゴールデンレトリバー『ライ』と暮らしている。

同じ犬種でもみんな個性的で、それぞれの流儀があり、なかなか思うようにはいかない。

しかし、どの子にも共通して言えるのは、まるで平和の象徴のような愛の塊だということ。

その愛が大き過ぎる故に受け止め切れない時もあるけれど・・・

 

私の大型犬好きはどうしようもなく譲れないところなのだけれど、ゴールデンレトリバーにこだわっているつもりはない。

新しい家族を迎える時、他の犬種も調べてみたりもするけれど、結果的にいつもゴールデンレトリバーに決めてしまう。

 

 

子供の頃、『名犬ジョリィ』というアニメがあった。

グレートピレニーズの『ジョリィ』は白くてモフモフで子供だった私のハートを鷲掴みにした。

 

確か『お母さんに会うためにピレネー山脈を越える』的なストーリーだった。

トラブルばかり起こすくせにいつも『ジョリィ』に助けてもらえる主人公の『セバスチャン』がものすごく羨ましかった。

 

ラフコリーが活躍する『名犬ラッシー』もあり、『優しく賢い大型犬』のイメージは幼い私の脳裏にしっかりと刻まれた。

 

 

当時の実家には、家族でカブトムシを捕りに出かけた時に拾ってきた、とても賢くて可愛い雑種の女の子がいた。

「絶対ちゃんと世話するから!」なんて約束は速攻で反古して、結局面倒なことは全て母任せというお決まりのパターンではあったけれど、姉妹の様に育った。

 

今でこそ、犬種を問わず室内で一緒に暮らすのが当たり前だけれど、その頃はまだ犬は外に繋いで飼うのが普通だった。

だから、ふわふわの温かな毛に顔を埋めて眠るなんて夢のようで、大人になったら絶対叶えたいと思っていた。

 

 

大型犬が好きな理由のひとつにオオカミが好きだからというのもある。

オオカミはカッコよすぎる。

凛々しくて気高い野生の姿は目眩がするほど美しい。

さすがにオオカミを手に入れることはできないし、ウルフドッグをトレーニングする自信もない。

かといって小型犬ではだいぶテイストが違う。

 

オオカミが好きならレトリバーよりハスキーやシェパードの方が近くないか?と言われそうだし、確かに実は立ち耳の方がタイプだったりする。

屈強で強面に見えるシェパードやドーベルマンが見せる優しさにギャップ萌えし、ふわふわのサモエドにニッコリ微笑まれたら腰が砕ける。

秋田県の凛々しくつぶらな瞳は日本人魂を揺さぶり、迫力のマラミュートが見せるお茶目な姿は、私をYoutubeの無限ループへと引き込んで行く。

 

 

では、なぜゴールデンレトリバーなのかと言えば、私自身と夫の持つ能力(体力・経済力など)や与えてあげられる環境(気候・住居など)と犬種の特性が一致するギリギリのラインだからだ。

そして何より、温厚で人懐っこい性格や表情豊かな瞳、金色に輝くモフモフの虜になってしまっているから。

 

ゴールデンレトリバーの体は、つきたてのお餅の様にとろプルで、抱きしめるとお風呂に浸かった時みたいに温かくて気持ちいい。

肉球の芳ばしい匂いは、焼きたてパンの香り。

ペラペラの耳は上質なシルクの手触りで、泥団子みたいにツルツル。

泥酔したおっさんみたいなイビキだって、おだやかな波音のように心地よく響く。

 

大型犬は小型犬に比べ平均寿命が短く、一頭とは10年前後しか一緒に居られない。

もっと一瞬一瞬を大切にしてあげないとなぁと、日々反省して20数年。

今日こそもっと遊んであげよう!